ねこねこ写真館

Neko No19 

番外編


  
日曜日の夕暮れ時

  
日曜日の夕暮れ時、ぶらっと散歩に出ました。
  

両側を民家にはさまれた細い坂道を降りている時、白地にトラ毛の大きめの猫が、

道の半分を使って、ながながと寝そべっているのが目に入りました。

  


いい風情だなー と思って 遠くからカメラを構えましたが、猫は、オートバイが勢いを

つけて上がってきても、人が横を通っても、どきもせず寝そべったまま。

 
離れたまま、じっと様子を見ていたら、猫の横を通りすぎてきた、年配の女性が、

ケガをしてるみたいね。さっきからあのままなのよ。」

と私に言いおいて 心配そうに去っていきました。
        

 

 

 
  
近寄ってみたら


近寄ってみたら、猫は頬にキズを負っていました。

頭を地面につけて目を閉じて寝そべったまま。

車の音がすると、ハッとしたように頭だけ起こすけれど、


  

また、ゆっくり 頭を地面につけて目を閉じてしまう。

ケンカをして、精魂つきはてて寝ているのか、車にはねられ、腰でも打ってしまって

動けないのか..

このままここにいたら、車にひかれてしまうよ と思ったけど、

「きっと大丈夫」なんて、思いこむことにして 私はその場を離れて帰ってきてしまいました。
 


月曜の夜は雨..
 

月曜の夜は雨でした。

猫をそのままにして、何もしなかったことを後悔してました。
  
  
火曜日の朝

 

火曜日の朝、猫がいた道に行ってみましたが、猫の姿はありませんでした。
   
あきらめきれず、最悪のことを覚悟しながらも、しばらく、その周辺を捜してみました。

 
その時 ふと、近くの民家の庭先に目を移したら、

ぺちゃぺちゃ」 と 逆さに置かれたバケツの底に ちょっとだけ溜まった雨水を飲んでる

猫がいました。


あの猫です。あの猫だー。生きてる。

しかも、猫は 水を飲み終わった後、トンと下に下りて、涼しそうな場所に丸くなりました。
 

よかった よかったよー   生きてるし、歩けるよー。

じわゎゎ〜と涙目になってしまいました。(;_;)


そんなわけで、何もしなかったことを反省している私ですが

火曜日は、ほっとした うれしい一日でした。
  

 1999年06月 tokyo


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