ねこねこ写真館

Neko No60

 
 

築地のばあば

  photo8枚

 

店じまいをはじめた築地市場の午後。

界隈の若い猫たちの相談役といわれる姐さん猫「ばあば」。
 



 ちょっとアンタ、若い猫に話かけないでくれる?

  ヒトを信用するといけないから。 



 築地は魚を扱うから、首輪してない猫は

 即、保健所に電話されるんでスリリングな日々よ。


食べるとあの世に行けるものが

置いてあったりするし。

築地で首輪をしていない猫達の悩みは

        食べ物捜し。

だから、細身の猫達が多いのよ。




 でも、一匹だけ太りすぎが悩みだって言ってる
でぶねこ
がいたわね。 




 でぶちって言ったっけ? 






げっ

「 ワタシっすか?」


撮影メモ

2001/03/20 Tokyo tsukiji

午後2時を過ぎると、築地市場は店仕舞いをはじめます。

小さな乾物店の横で水を飲んでいる三毛猫。写真を撮っていたら、

「ねぇ あなた獣医さんなの?」 とお店のおばさんに声をかけられました。

おばさんのお話

15歳くらいのお婆ちゃんだから

「ばあば」って呼んでるの。



猫会議じゃ若い猫達の

相談にのってやってるみたいよ。


ノラで、もう目もあまり見えないの。


ガリガリに痩せてた時期があってね、かわいそうになっちゃって

「ばあば、もうどこにも行かなくていいよ。ここにいていいよ。」

って言ったら、ご飯を食べに来るようになって、やっとここまで肉がついたの。



ばあばは面倒見がよくってねぇ

いつだったか、あげたご飯を毎日どこかに運んで行くから

「 心配な猫がいるなら、連れておいで 」

って言ったのよ。そしたら、

腎臓の悪い仔猫を連れて帰ってきたの。


その仔猫、疥癬を患っていたから1ヶ月も個室に隔離されて入院。
すごくお金かかっちゃた。 そうだったよねぇおじいさん。

一緒にお店番をしていたおじさんは、にこにこしながら頷いておりました。



この子はひとの話がわかる。

お客さんと 「歳だから目が悪くて..」なんて

話をしていると、必ずぷいって不機嫌そうに横向くの。

ね、ばあば。

おばさんを見上げながら、じっと話を聞いていたばあば。

そう言われると、バリバリと爪とぎをして、道を渡って

どこかに姿を消していきました。



なんだか、素敵な猫の物語を聞いたような気持ちでした。

次の猫会議はいつだっけ



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