ねこねこ写真館

Neko No98

 
 

ポンタのおススメ

  photo8枚

 

10月16日〜18日の「御会式」という伝統行事の準備で
夕暮れまで鎚音ひびく鬼子母神の境内です


コーン! コーン!
 「これくらいでどうだぁ?」
「もう少し打ち込んだほうがいいなぁ。」「ようし!」
カーン!カーン!カーン!



あーあ、ハトがみんな逃げていっちゃったよ




境内の駄菓子屋さん

手にとって品定めしてるカップルと
「これ下さい。」と、常連らしい小さなお客様。

「なつかしい〜、ソースせんべいだ〜。」
 
         (なにげにお店の近くにいるポンタ↑) 

「ソースせんべい下さい。ここに来たの20年ぶりです〜。」
 「まぁ、そうですか。」



ん? ソースせんべい?

どれだ、どれだ?

 

ま、おススメはイカだね、特にやわらかなそうなやつ。
買ったらワタシにも分けてね。

 


撮影メモ

2003/09/30 Tokyo
 
鬼子母神の境内にある、駄菓子屋さんにて。
猫の名前はポンタ、ポンタじいさん。10歳。

  
築200年。お店の築年です。びっくりしました。
店主の内山さんは、お店の屋号「上川口屋」13代目だそうです。
  
「このお菓子のケースも200年前のものなんですよ。」と聞いて、
またびっくり。素材も桐で、くぎも”木くぎ”で作ってあるそうです。
  
江戸時代に、飴屋として創業したという、この駄菓子屋さん。
子連れ狼の「大五郎」のような子も、買いにきていたのかな。 

ボス猫がいないんですよ。鬼子母神の猫たちには。
だから、よそ者の猫を追い払う時は、一匹がフーッって言い始めると、
みんなで、後ろについて、フーッフーッってやるんです。可愛いですよ。」
と内山さん猫たちを、愛情深く保護して見守っています。
  
家猫は、茶トラのナガちゃん、白黒猫のフミちゃんとあわせて4匹。
外猫は、ポンタ、モンジロウ、ミーちゃん、ムサシ、タマちゃんなど数匹が
いたそうです。
 
タマちゃんは、テレビでも放映されたりしていた人気猫で、
みんなが頭をなでるのを嫌がらないし、カメラを向けられると、
ちゃんとポーズをとる猫だったそうです。
 
(タマちゃんは、猫No97の武田貞子写真展の案内状に写っている猫です。
そのタマちゃんがどっかと腰をおろしているのが200年前のお菓子ケース!)
 
でも、今年の6月から9月にかけて、ミーちゃん、ムサシ、タマちゃんが
持っていかれてしてしまったそうです。心無い人に持っていかれて
虐待されていないだろうかと心を痛めていらっしゃいました。
 
何年も、世話をしていた猫たち、あの場所に無事に戻ってほしい..
そう祈ります。

車椅子の男性が、お店にやってきました。
 
「初めてここに来れました。入り口が階段なので、境内に入ったことが
なかったんです。今日は、階段がスロープになっていたでしょう?」
と入り口を指さし、上気した顔で内山さんにお話していました。
  
境内から男性を隔てていた階段は2段。
そこが御会式(おえしき)のために、板と藁でスロープが作られていました。

三代にわたって来てくださる方もいるんですよ。」と内山さん。

ポンタを見た、20代くらいのカップルの彼。
「あ、あの猫!8年前にもいたよ。」と、嬉しそうに彼女に話してました。
 
もしも、このカップルが結ばれて、子供や孫に恵まれた時、その子たちも
この駄菓子屋さんにお菓子を買いにくる...そうなったら素敵。

子母神の「鬼」の字にはホントは角がありません。
前世の恨みから夜叉になり、よその子供を食べてしまう悲しい母親。
でも、お釈迦さまに諭されて改心し、鬼の角がとれたからだそうです。

今、この近くでは、地下鉄の駅の建設が進んでいます。
この界隈も変わっていくかもしれません。境内の入り口の階段が
スロープに変わる、それ以外は、ここは変わらずにいてほしい。

都電を降りて、都の天然記念物のけやき並木を通って、鬼子母神へ。  
こじんまりした境内に、みみずくのベンチ、石榴の木、樹齢600年の大銀杏。
そしていろんな人が訪れる。それを代々見つめ続ける駄菓子屋さん。
静かに時が流れています。  
 
200年前のお菓子ケースに入った駄菓子、いかがですか?


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